すじかい466号
洛西支部 堀井 里見
今回は長野県諏訪郡諏訪町にある諏訪湖博物館・赤彦記念館です。
今年の4月に約30年ぶりに訪れました。30年前と変わらずきれいに維持されていました。
諏訪湖の周りには12の美術館や博物館が集中していますが、その中でも目を引くこの博物館は伊東豊雄氏の設計で1993年に竣工しました。伊東豊雄氏は少年時代の十数年をこの諏訪湖に面した自宅で過ごされていて、冬は自宅の庭からスケート靴を履いて凍った湖面を滑って通学されていたそうです。
気象条件によって湖面に現れる水平虹をイメージされたこの建物は、湖岸のカーブに沿って周遊していると、絶妙な円弧のアルミパネルの屋根が大きなカーブを描いて一枚のコンクリートの壁に寄りかかっている姿が現れます。そして、遠くからは大きく見える建物が小さく感じられるという不思議なスケール感を覚えます。内部空間では、エレベーターで2階に上がると凍った湖面をイメージできるよう、諏訪湖を望みながらガラスの床を進むという仕掛けがあります。
下駄スケートや諏訪湖の生態などの展示品も興味深く見ることができます。驚いたのは2台のプロペラ機が湖面に乗っている写真がありました。現在は凍らない冬もあるくらいですが、昭和初期の氷の厚みに地球温暖化の影響を感じます。
ちなみに諏訪湖は映画「君の名は」の糸守湖のモデルで、中央自動車道の諏訪湖SAからの景色は映画の中のシーンを思い出させます。また夜になると街の夜景がスワン(白鳥)の形になるという話があります。意図して計画されたものかどうかわかりませんが、皆さんも機会があれば確認してみてください。