すじかい466号
編集後記
時間外労働の上限規制が本格化し、4週8閉所の推進など、建設業界は「持続可能性」を模索する大きな転換期を迎えています。けれども、一品生産であり、気象・天候に影響され、何より多種多様な専門技能の集積であるという現場の特性に変わりはありません。その特性を支えるのは、あくまで「人」です。川上のツールが進化しても、担い手の安全・安心が約束されて初めて、建築設計も業界の持続可能性に貢献できるのだと思います。
設計事務所の役割を、単に形を描くことから、生産の持続可能性に深く関与することへと問い直す時期に来ているのではないでしょうか。「この図面は現場でどう組み立てられ、誰が形にするのか」に想像力を巡らせる。川上の図面が変われば、川下の現場の働きやすさも変わっていきます。設計者が施工者のよきサポーターとしてコミュニケーションを深めることが、建築の未来を確かなものにする一歩となる気がします。
(洛中支部 石井克憲)

