【あとがき】西日本 建築探偵団調書30

ぼう かく

 昨年はじめて渉成園を見学した。京都駅前の都会にあるとは思えない気持ちのよい庭園で、そこだけゆるやかな時間が流れていた。渉成園は徳川家光が東本願寺に寄進したもので、1653年に石川丈山と小堀遠州が伏見城の遺構を移して作庭したという。1858年、1864年と2度焼失し、現在のものは幕末から明治にかけて再建された。
 傍花閣は杉野惣兵衛棟梁が明治25年に復元したものだ。他に類例を見ない不思議な形をしており、なかなかかわいい。昭和8年の「建築と社会」に天沼俊一が書いているが、なぜこのような形なのかは説明していない。ただ、とても珍しいものであり、かつよくできていると手放しで褒めている。天沼がここまで褒めるのも珍しい。わたしも気に入ったのでスケッチした。謎はおいおい解くつもりである。

(文とスケッチ 円満字洋介、乙訓支部)

※東本願寺渉成園/京都市、桃山時代(明治25年再建)
 ワトソン紙はがきサイズ、グラフィックペン0.5、固形透明水彩、2026.03.07スケッチ

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