すじかい466号
今村 領太
つい歩きたくなる伏見の酒蔵の町並み
私が京都市伏見区で好きな場所の一つに、酒蔵が並ぶ町並みがあります。
白い壁の酒蔵や古い町家、水路沿いの柳、十石舟がゆっくり進む景色を見ていると、時間の流れが少しだけゆっくりになるように感じます。
観光地として有名な場所ではありますが、私にとっては、建物や町並みを眺めながら、ただ歩いているだけでも心地よい場所です。
仕事柄、どうしても建物に目がいきますが、伏見の魅力は建物だけではないと思います。
水路や石畳、昔から続く酒蔵、そこにある人の営みが重なって、あの落ち着いた雰囲気がつくられているのだと思います。
新しい建物を考える仕事をしているからこそ、こうした長い時間をかけて地域に馴染んできた建物を見ると、改めて学ぶことがあります。完成した瞬間だけでなく、年月を重ねてもその場所に馴染み、愛着を持ってもらえることが、建物にとっては大切なのだと感じます。
私自身も家づくりに携わる中で、建物だけをきれいにつくるのではなく、その土地の空気感や周囲の町並みも大切にしながら、長く心地よく暮らしていただける住まいを考えていきたいと思います。